自宅でも簡単にできる仏教瞑想を応用した「手放しメソッド」瞑想法~その1

願いを叶えるためには「願望を手放す」ことが鍵で、心がフロー状態になることが条件と前回の記事で書きましたが、今回は、その方法について語りたいと思います。
目次
願望を手放すのに一番簡単で効果があるのは瞑想
世に瞑想と名のつくメソッドはいくつもありますが、サマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想がすべての瞑想法の基礎とされています。
現在、多くの有名企業(Google,Intleなど)や著名人やスポーツ選手など(有名なところではアップル創業者スティーブ・ジョブスや大リーガーのイチロー選手)も取り入れているマインドフルネス瞑想も、これら二つの瞑想から派生したメソッドです。
また日本でも密教瞑想法で阿字観(あじかん)と呼ばれる瞑想があります。空海が口述し高弟の実慧が筆録した瞑想法も基本的な方法は同じです。
そこで、この二つの瞑想法について簡単に見てゆきましょう。
サマタ瞑想
サマタとはパーリ語で「止・禅定」と訳され、「心の散乱を止め、煩悩を浄化して静め、一つの処に心を落ち着かせる」という意味で一点に集中し「心の動きを止める」ことが目的となっています。
上座部仏教では業処と呼ばれる瞑想対象が40種類あって、まずはサマタ瞑想(止行)によって禅定を得てヴィパッサナー瞑想を行うとされ、集中力を強化するために行われていました。
ヴィパッサナー瞑想
パーリ語のヴィパッサナーとは「観」と訳され、ヴィとは「ありのままに・明瞭に・客観的に」、パッサナーとは「観察する・観る・心の目で見る」という意味で、ただ今の自分に気づき観察し「心の目で見る」ことが目的です。
ブッダが修行中に行っていた瞑想で自分の呼吸を見守りながら、現在の瞬間を捉え続けることによって妄想を捨てていく技法です。
瞑想といえば座るイメージが強いのですが、歩きながらの歩行瞑想や体操のように体を動かしながら行うムーブメント瞑想もあります。
サマタ瞑想法 「止観を応用した簡単メソッド編」
仏教において瞑想は「止観」とも呼ばれ、「止」と「観」とに大別され(「止」サマタ瞑想で「観」はヴィパッサナー瞑想)「戒定慧」における「定」に相当するもので禅定つまり「禅」とも、その意味するところは同じです。
今回は座禅を組んではサマタ瞑想の入り口として「止」のところまで行ってみましょう。
1.座禅を組める環境を整えます。自宅で一人になれる部屋がいいでしょう。窓を開け換気をして、時間があれば、かるく掃除機などをかけてもいいと思います。静かな時間帯がいいので早朝がいいと思います。携帯の電源を切り、お香などを焚いても心が落ち着きます。
2.座る場所を決めます。坐蒲(ざふ)と呼ばれるものを置いてもいいですし普通の座布団でもかまいません。座布団ならば二つ折りにして少し高くします。座る方向に合唱一礼し、時計回りで反対側も合唱一礼してから座ります。お尻だけを坐蒲の上にのせ、あぐらをかくように座ります。両ひざは床に触れるようにして座ります。坐蒲に自分の骨盤をのせ両手のひらを上に向け、両ひざの上に置いたなら左右に体を揺らして背筋を整えます。
3.吸った息が体の奥底まで届くように呼吸します。鼻から息を吸って、ゆっくりと口から吐きます。呼吸は常に流し続けてください。お腹を一度前に出し姿勢を整えたら、肩をぐっと上に上げ、吐く息と一緒にゆっくり下ろします。星空を見上げるようにゆっくりと真上を見上げ、首や肩、首筋の力を抜いて行きます。気持ちよく胸が開くのを感じてください。
4.ここで本格的に座禅を組みたい方は、右足首を持ちあげて左太ももの上にのせ、次に左足首を持ちあげ右太ももの上にのせて結跏趺坐(けっかふざ)を組みますが、初心者はあぐらのままで良いと思います。座禅の途中で足が痛くなり集中が途切れるなら組まない方がいいからです。
5.呼吸を続けながら目線を徐々に下げ、目を閉じて行きます。完全に目を閉じないようにします。薄目を開けて焦点を定めないようにしてください。右の手の平の上に左の手の平を重ね、親指の先を僅かに付けおへその前あたりに置きます。鼻から大きく息を吸って、吸いきったら口からゆっくりと時間をかけて吐き出します。自分のペースで出来るだけゆっくりと体の中を新鮮な空気が流れているのを感じながら繰り返してください。数回この呼吸を続けたなら、口を閉じて鼻からの自然な静かな呼吸に身を任せ、座禅に入ります。座れるだけ座ってみてください。
ここまで文章にすると難しそうに感じますが、何度か体験して慣れてしまえば、簡単に座れるようになります。大切なのは、ここまでのルーティンです。そのすべてがサマタ瞑想の一つで、呼吸のみに意識を集中するためです。
最初のうちは呼吸を数えても良いですし、呼吸によって鼻から入った新鮮な空気が体の中をめぐり外に吐き出されることに意識を集中しても良いでしょう。座る時間は最初は10分から始め、少しずつ長くして行ってください。
もし途中で雑念が沸いてきたり集中力が続かなくなったら止めても構いません。また5番の呼吸からやり直すことも出来ます。短時間を1日何度かに分けてやってみてもいいでしょう。
次回はヴィパッサナー瞑想法を取り上げます。先に見たい方は…
自宅でも簡単に出来る仏教瞑想を応用した「手放しメソッド」瞑想法~その2…をご覧下さい。
今回のまとめ
- 手放すことに一番効果のある方法は瞑想である。
- 瞑想法の基本はサマタ瞑想とヴィパッサナー瞑想である。
- 心の動きを止める「止」瞑想メソッドは呼吸に意識を集中すること。
少し長かったですが、今回も最後まで読んでいただいてありがとうございます。みなさんの幸運な人生を願いながらRYUSHO