「魔術のメカニズムを考える」魔導書に出てくる悪魔や魔物って何?

古典的な魔術を扱っている魔導書「グリモワール」に頻繁に登場する悪魔とか魔物って本当に存在するの?という疑問を、みなさんも持たれると思いますが…
中世ならいざ知らず、科学の進歩した現代において、この疑問を払拭しておかないと「グリモワール」に対して真剣に向き合えないかと思いまして、今回のテーマにしました。
まだ、魔導書「グリモワール」について知らない方は…
「カバラを制するもの世界を制す」カバラの秘密を1つだけお話しましょう…から先にお読み下さい。
それでは早速、始めたいと思います。
目次
悪魔とはいったい何なのだろうか?
映画などで、魔法を扱うシーンの場合、ほとんどのシーンで悪魔召喚の場面が描かれています。術者は魔法円と呼ばれる円を白線で床に描き、その中で呪文を唱えます。すると術者の願いを叶える悪魔や魔物が召喚されると言う訳です。
この場合、描かれた悪魔の姿は、背中にコウモリの様な翼を付け、頭には二本の角が生えています。その容姿は顔を含め恐ろしく怖いものです。術者は召喚した悪魔に叶えて欲しい願いを語ります。すると悪魔は、その願いを叶える代わりに、生贄(いけにえ)を求めます。
大抵、この生贄には大きな犠牲を伴うものがほとんどです。例えば生き物の命とか、最悪、術者の寿命や命さえも、差し出さなければなりません。それでも、術者の願いの方が強ければ、悪魔との契約は成立するのです。
こういった一連の悪魔との契約は、単なる映画の中だけのフィクションではなく、中世の人々にとっては、真剣に取り組んでいた魔法儀式でした。そしてこの中世魔術は19世紀から20世紀にかけても隆盛を極め、現代にもその一部が残っていて、それが映画で描かれているのです。
その中世魔導書の発掘と、現代にまで影響を与えた人物が「黄金の夜明け団」の悪名高き魔術師の異名をとるアレイスター・クロウリーだったのです。
「黄金の夜明け団」についてまだ知らない方は…
魔術グループ「黄金の夜明け団」とは…を先にお読み下さい。
またアレイスター・クロウリーについては…
魔導書「ソロモン王の鍵」について…でも簡単に取り上げていますので、確認して下さい。
悪魔とは人間の心
先に書いた悪魔との契約のシーンを読まれて、皆さんはどんな感想を持ちましたか?
僕が魔導書「グリモワール」を使った悪魔との契約のシーンで一番怖いと思ったのは、悪魔の姿でも魔物の存在でもありません。それは願いを叶えたいと思う人間の心です。
その心は、例えどんな犠牲を払ってでも叶えたいと願う、欲望の心です。そして命と引き換えにしてでも求める強欲の心が悪魔との契約を完了させるのです。
この契約は科学の進歩した現代に置いても、当てはまることや、思い当たることがあると思いませんか?
みなまで書かなくとも、みなさんも既にお分かりだと思います。この様な強欲な人間の心が悪魔の正体なのです。
魔術とは心理エネルギーの活用方法
しかし、魔術は悪い事ばかりではありません。それは我々人間の願望が、どちらに向かうかで変わってきます。それは…
その魔術を使いたいと思うが願望が、己の欲望の為のみにあるのか?あるいは他人や社会の為なのか?によって変わると思われます。
これは魔導書「グリモワール」の契約相手が、悪魔なのか、天使なのかと言い換えても良いでしょう。どちらを召喚するかは、術者の心理エネルギーによって決まるのです。
しかし、ここで1つ注意が必要なのは、術者が天使に向かって願いを述べていると思っていても、悪魔は天使の姿を借りて術者を騙そうとしています。
それに天使との契約には生贄は必要ありませんが、なかなか願いが叶わなかったり、術者の普段の努力が必要になります。それと比べて、悪魔との契約には、術者の苦労はありません。他人を犠牲にすれば、簡単に早く願いが叶うのです。
しかし悪魔との契約は、術者にとって良い事ばかりではありません。悪魔は契約者(術者)さえ騙そうと、虎視眈々と狙っているのです。一時の願いが叶ったとしても、後に大きな犠牲を契約者自身が払わなければならなくなります。
みなさんならどちらと契約したいと思いますか?また、この契約を術者がコントロールさせる為には心理エネルギーを操る訓練が必要になりますが…今回のお話はここまでとします。
今回のまとめ
今回は魔導書に出てくる悪魔とはなにか?について書きました。
魔導書「グリモワール」を扱うには、正しい心理エネルギーのコントロールが重要である。
…という事が言いたかったのですが、本当に悪魔が出てきて契約儀式を行うわけではありませんので、心配しないで下さいね(笑)
今回も最後まで読んでくれてありがとうございます。また次回をお楽しみにして下さい。それでは今回はこの辺で…。みなさんの幸せを願いながら。RYUSHO