第1回【タロット・シンクロ・ワークショップ】テーマ『タロットとは何なのか?』

こんにちは。Ryushoです。
前回からお届けしておりますタロットとのシンクロをテーマとした『タロット・シンクロ・ワークショップ』Web版
今回は事実上、初めてのワークショップということになります。そして……。
第1回目のテーマは『タロットとは何なのか?』です。
「えっ、タロットって……占いの種類、あるいは道具(ツール)でしょっ!?」なんて声が聞こえて来そうですが、実は僕、人生の大半(二十数年)タロットと付き合っているのですが、知らないことも、たくさんありますし、まだまだ興味の尽きない存在なのです。
と言うのも僕自身、占いカウンセラーとしてタロットに仕事(占い)で助けられて来ましたが、仕事以外でもいつも持ち歩き、僕にとってタロットは『人生のパートナー』あるいは『仕事のバディ』なのです。

みなさんに、もっとタロットを知って頂けるよう、以下の項目でお話(僕の知る限り)して行きたいと思います。
- タロットの歴史
- タロットの種類
- タロットの構成
- タロットの目的
プロのタロット占い師さんや、すでに色んなタロット教本で学ばれているか方からすると、ご存知の内容がほとんどになるとは思いますが、最後のタロットの目的のチャプターでは、僕オリジナルの話をしたいと思いますので、興味のある方は、ぜひ御覧くださいませ。
目次
第1回【タロット・シンクロ・ワークショップ】『タロットとは何なのか?』

ai subarasikiによるPixabayからの画像
では早速『タロットの歴史』についてお話を進めてまいりますが、実は僕がタロットを学んだ20年前と今では、タロットの起源について多少の違いが見受けられますので、このことについて先にお話しておきたいと思います。
Chapter 1⃣ 『タロットの歴史』
現在ではタロットに関する書物は多く出版され、我々日本のタロッティストたちが書いた優秀なタロット教本※も多く見受けられますが、僕がタロットを学び始めた頃には、外国(主にアメリカ)の著者の本しかありませんでした。※タロット占い師が書いた本
中でも僕が一番影響を受けたタロッティストは現代タロットの母『イーデン・グレイ』と、その弟子※とでも言うべき現代タロット解釈の世界的権威『レイチェル・ポラック』さらにタロットの大家にして自己探究専門家『メアリー・K・グーリア』の3人の女性たちです。※僕が勝手に弟子だと思っている。
ちなみに僕がプロのタロット占い師になった2001年同時期に『イーデン・グレイ』の書いたタロット指導書『啓示タロット(2002年)』が日本でも出版されておりますので紹介いたします。
さらにそれから10年後の2012年には『レイチェル・ポラック』の書いた『タロットバイブル』と『メアリー・K・グーリア』の書いた『タロット・ワークブック』も日本語で出されていて、僕のタロットのベース(基礎)は、ほとんどこのお三方から頂いた知識がスタートなっております。※タロット・ワークブックは現在入手困難となっております。
タロットの起源
まず、タロットの歴史においてその起源について、僕がタロットを学んだ頃と現在の歴史認識で違っていることを紹介しましょう。
『カードゲームやマジックなどで使われるトランプはタロットの小アルカナ(大アルカナを除いた※56枚)が起源である』なんていう話を、意外と最近まで信じていたのですが……。※トランプはジョーカーを除いた52枚
諸説ありますが、現代ではタロットよりもトランプの方が起源は古く、古代エジプト起源やインド起源などが有力とされています。そして遅くともトランプは14世紀の終わりころ十字軍によって北アフリカからが欧州ヨーロッパにもたらされたことは間違いなく、それから約50年後の1440年頃に、イタリアの北部フェッラーラかミラノにて世界最古のタロット・デッキが登場した……。というのが現在のタロットの歴史認識です。
世界最古のタロット・デッキとされる『ヴィスコンティ・スフォルツァ版』タロット
15世紀後半ミラノ公のフランチェスコ・スフォルツァが画家に描かせ、様々な博物館・図書館・世界中の個人コレクションに散らばる約15のデッキのタロットを総称したもので、現存する最古のタロットとして知られている。現在のマルセイユ版タロットとは絵柄などにかなりの違いが見られ、悪魔、塔のカードが欠落しており、最初から無かったのか散逸したのかは研究家の間でも意見が分かれるところで、完全なデッキは残されていないが、コレクションによっては同一カードで構成され、多くの絵札が残されているものもある。 最も有名な三大コレクションに『キャリー・イェール版』『ブレラ・ブランビラ版』『ピアポント・モルガン・ベルガモ版』などがある。【ウィキペディアより引用】
オカルトとしてのタロット起源
2000年代初め、僕はまだタロットの起源は古代の神話(ミトラ神など)にあり、神秘のベールに包まれていると信じていました。先に示した通り、タロットの起源については、ほぼ間違いなく15世紀前半、北イタリアで生まれたということに間違いないでしょう。ただしその当時のタロット・カードはおそらく、貴族たちの権威の象徴、あるいは芸術品としての価値しか持たなかったと思われます。
これに対し、いわゆるオカルト的な価値をタロットに見出した存在が1888年にイギリスで設立された魔術結社『黄金の夜明け団』に間違いありません。19世紀から現代にいたるまで、もっとも大きな影響力を与え続けているタロット・デッキ※が生まれたのも、この魔術結社のおかげであります。※ライダー版とトート版・タロットのこと
これらのタロットには、西洋占星術、カバラ数秘術をはじめとする、占星術サインや、ヘブライ文字、生命の樹などの象徴がイラストに盛り込まれ、文字通りオカルトとしてのタロットが生まれたのがこの頃で、まさにタロットの黎明期だったのです。
タロットの歴史については、深く掘り始めると、まだまだ興味深いこともたくさんあるのですが、最初の内は、これら2つのタロット起源を知っておくことで十分だと思います。
Chapter 2⃣ 『タロットの種類』
先にも少し触れましたが、現代のタロット占いにおいて最も重要な、そして有名なタロット・デッキは『ライダー版タロット』と『トート版タロット』そして『マルセイユ版タロット』と思われます。この3大タロットの呼び名(通称)も色々あるので、以下にまとめて見ました。
- ウェイト・スミス版(ライダー版)タロット
- クロウリー・ハリス版(トート版)タロット
- マルセイユ版(グリモー版)タロット
個々のタロットの歴史を語り始めると1冊の本が書けてしまうので、ここでは割愛しますが、登場年代的に言うと、グリモー版が一番古く、16世紀から18世紀頃のヨーロッパで大量生産されていたカードで、主にフランスのイメージが強い絵柄です。
次にライダー版で、19世紀のイギリス魔術結社『黄金の夜明け団』と共に世に出たカードで、タロットのイメージが分かりやすく、現代で最も愛用されているデッキです。
最後に、最も新しいタロットがトート版で、20世紀の初め、先の魔術結社にも所属していたアレイスター・クロウリーによって書かれた『トートの書』によって世に出ましたが(※挿絵のみ)実際のタロット・デッキはクロウリーの死後、22年たった1969年にカード化されました。
僕もこの3種類のタロット・デッキを所持していますが、占い師として、ライダー版は初心者向け(読みやすい)で、少し慣れてくるとグリモー版(古典的)に移行し、最後はプロの占い師ならトート版(抽象的)という暗黙の了解が昔はありました。
ですが、本人が一番使いやすい(イメージが湧きやすい)タロット・デッキを使うことが重要で、僕も今でもライダー版を愛用しております。
Chapter 3⃣ 『タロットの構成』
タロットカードにはじめて触れる方もいらっしゃるかも知れませんので、ここでタロットの構成について詳しく触れてみたいと思います。
まず一組のタロット・デッキは合計78枚のカードで構成され、大きく分けると22枚の大アルカナと56枚の小アルカナに分けることが出来ます。ちなみに「アルカナ」とはラテン語の「机の引き出し」のことで、転じて「隠されたもの」との意味から「秘密」「神秘」との意味合いで使われています。
大アルカナ
22枚の大アルカナには、一人の人間の成長の旅が、段階的に象徴(アーキタイプ)として描かれています。
小アルカナ
56枚の小アルカナは、16枚の人物が描かれた「コートカード」と、残り40枚の「ピップカード(数札)」で構成され、さらに4つの「スート(マーク)」に分類され、このあたりが、人物の数(12枚)こそ違いますが、トランプの構成(52枚+ジョーカー)に似ています。※余談ですが、アレイスター・クロウリーはトートの書で一部アルカナをトランプと呼んでいました。
■ スート(マーク)の構成
小アルカナの4つのスート「ワンド」「カップ」「ソード」「ペンタクル」は、それぞれトランプの「クラブ」「ハート」「スペード」「ダイヤ」に対応していて、以下に整理してみると……。
- ♣クラブ ⇔ ワンド「棍棒」
- ♥ハート ⇔ カップ「聖杯」
- ♠スペード ⇔ ソード「剣」
- ♦ダイヤ ⇔ ペンタクル「貨幣」
……となります。
■ ピップ(数札)の構成
各スート(マーク)のピップ(数札)の構成もトランプと同じで、A(エース)の1から10までのピップで構成されています。
■ コートカード(人物)の構成
人物が描かれた「コートカード」ですが、これはトランプと違い、若い順に「ペイジ」「ナイト」「クイーン」「キング」(※トランプは,J , Q , Kの3種類)の構成となっています。
こうやって文章にしてしまうと、少し複雑に感じますが、お手持ちのタロットカードの小アルカナを各スートごと、ピップ順に並べていただくと一目瞭然だとおもいます。
Chapter 4⃣ 『タロットの目的』
現代タロットの目的は、主に占いで『クライアントのためにリーディングを行うこと』とされてきました。特に僕が強調したいことは、昨今のタロット占いでは『リーディングを行う自分(占い師)以外の者のために使うもの』もっと端的に言えば『他人のために使うもの』と使用目的が限定されて来ました。
これは多くのビギナー向けタロット教本を読んでみても明らかで、今でも一部のタロット講座などで、同じように指導しているのを多く見受けます。理由は『自分(占い師自身)のリーディングでは客観性が失われ、正しい占い結果を得られないため』とされています。
しかし、はっきり申し上げて僕は『タロットを自分のために使って来ました!』
具体的にいうと、まず日々の瞑想やイメージトレーニングに使い、その時々の迷いごとや選択に、あるいはその日一日の運を知るため、タロットからヒントや助言をもらって来ました。
実は前出の僕がビギナー時代に学んだ3つの教本の著者である3人の師たちの中で特に『レイチェル・ポラック』と『メアリー・K・グーリア』などタロット・リーダーたちは、「自分のために」もリーディングを行っていて、逆に推奨しています。
このワークショップのタロットの目的
これらタロット・リーダーたちの教えとは何を意味しているのでしょうか? 僕の理解ですが「人は誰しも自分を最も知りたい」と思っていて、逆にいうと「自分自身を最も理解できていない」ということで、この欲求を満たすためタロットが存在すると考えています。
それともう一点、10数年前、僕がNHK文化センターでタロットの講師をしていた時、生徒さんから以下のような2つの重要な質問をよく受けていました。
- 「タロットカードの意味を全部(78枚・正逆)覚えたのですが、実際の占いとなるとリーディングできません!」
- 「タロットの教本によって、個々のカードの意味が微妙に違うのですが、どの本のを覚えたらいいですか?」
おそらく今でも、このような悩みをお持ちのビギナーの方は多いと思います。
これらの問に対して、僕からの答えは簡単です。「あなたのタロットと深く繋がりなさい!」……と、この一言に尽きるでしょう。
タロットとのラポール(信頼関係)を築き、シンクロ(共鳴)できれば、自ずとリーディングの際、もっとも重要なメッセージをつかめるようになりますし、そのメッセージの意味も、クライアントや占い師によって変わるのは当たり前のことなのです。
『自分のタロットとシンクロする!』これこそが、これから始まる、この※ワークショップの目的であり、本来のタロットの目的なのであります。※タロット・シンクロ・ワークショップ
これまで僕が実践してきた『タロットとのシンクロ方法』や『日々の付き合い方』を紹介しながら、みなさんと一緒に「タロットと深く繋がって」いきたいと考えています。
最後にもう一つ、先の2つの重要な質問からの僕のアドバアイスを添えて置きたいと思います。
- 「タロットの意味は覚えなくても(丸暗記しなくて)大丈夫!」
- 「自分だけのタロット・キーワード集(日記)を作ること!」
- そして「まずタロットは自分自身のために使うこと!」
です。自分自身の人生においてタロットでリーディングをすることで、信頼感や自信がつき、また日々のカード意味の変化(結果が確認できる)などから、対応力もつくことは間違いないでしょう。
最後に(まとめ)
あなたがこのワークショップを通して、プロのタロット占い師になるかどうかは別にして、本当の自分を知るツールとしてタロットを活用する方法を学べるように、また、人生の選択で迷った時に、あなたの良きアドバイザー、あるいは相棒(バディ)となるよう進めて行きたいと思います。
具体的な内容としまして、まだ検討中の部分もありますが、まずはタロットとの対話方法として『あなたのタロット・パーソナル・カード』の調べ方とシンクロ方法を次回、予定しておりますので、興味のある方は引き続き御覧くださいませ。
